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フラフ

フラフの画像

五月の空を彩る鯉のぼりは中国の故事にならい日本で作られたものとされている。

中国の伝説に鯉が竜門という急流の滝を登ると竜となって天に昇るという出世物語がある。
この伝説にちなみ、男児の立身出世を願う親心が鯉のぼりという形になったと言われている。
「我が家に男の子が生まれた」ことを天に告げ、その守護を願う目印にしたということである。
フラフの画像

高知県の中東部では鯉のぼりとともに「フラフ」を上げて端午の節句を祝う。

フラフの語源は英語の「FLAG(フラッグ)」が土佐流になまり「フラフ」と呼ばれるようになったと言われているが、その他諸説がある。

この地でフラフ染めが行われ始めたのは明治の初期ごろから。
染めものには欠かせない自然の流水として山田堰から流れる豊富な井水を利用して、談義所地区に発展してきた。
フラフの画像

フラフに描かれる絵はおとぎ話の金太郎、桃太郎など元気でたくましい少年を描いた物や太閤秀吉、川中島の合戦、那須与一などの武者絵、七福神、恵比寿大国宝船などのおめでたいものなどが伝統的なものが主であるが、近年は祖父や父の職業や趣味を反映したユニークなオリジナル絵柄も出てきている。

祖父母が子供に託する思いも多様化してきたということか。いずれにしても生まれてきた子供に注がれる愛情はいつの世もかわらない。

元気に育て、の祖父母の思いを鮮やかに染め抜いた「フラフ」が紺碧の空を彩る光景は勇壮そのもの。土佐の風物詩である。
フラフの彩色風景

熟練の職人の手で丁寧に彩色される伝統の技法は母なる物部川に育まれた誇り高い伝統工芸であり全国的にも高い評価を得ている。

川風にたなびく極彩色のフラフは物部川をわたる風そのものであり、神々の鎮まる奥物部の山深く生まれ出でた一滴の水がやがては大河となり里人を潤すこの地の恵みの象徴である。

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